H27.09.22 羽生結弦×野村萬斎 表現の極意 - 2015.09.23 Wed
H27.09.22 羽生結弦×野村萬斎 表現の極意
対談場所:H27.8月 銕仙会能楽研修所




野村:この跳ぶっていうことをするときにある程度こういう(対照的な)ベクトルがくるわけ


▼例えで、ジャンプならば




▼伝統のあるものだからこそ感じるプレッシャーについて
















▼陰陽師について

萬斎が見た羽生「陰陽師」



対して羽生の衣装には烏帽子も長い袖もない
衣装が変われば、同じ振付でも効果的ではなくなる


野村:型は自分で解釈していくもの。「この『型』に何の意味があるのか?」を分らないというか放っておかないで、










▼技術と表現の両立





-会場全体に意識を-






めっちゃ疲れた・・・
対談場所:H27.8月 銕仙会能楽研修所
羽生:マジ緊張する。ヤバイホント緊張する。
野村:そうですか。
羽生:本当緊張するんですけど。ヤバイ大丈夫ですか?
お前がな!!ww
野村:なんでも聞いてくださいよ。

ナレ:珍しく取り乱した羽生選手。今回の対談は本人たっての希望でした。その訳とは。新らしいプログラムは陰陽師をテーマにしているのです。
▼2001年の映画陰陽師
野村さんは安倍晴明を演じていて、呪文を唱えるポーズが話題となりました。今回羽生選手も取り入れている。
子供の頃から憧れていた野村さんから振付のアドバイス

▼狂言での重要点=正反対のベクトル
※上げた手に観客の意識を向けながら、その手とは逆の方向に跳ぶのがポイント
野村:こっちの下に跳ぼうとする時、必ずこっち(反対)の手が重要になるわけ


野村:この跳ぶっていうことをするときにある程度こういう(対照的な)ベクトルがくるわけ


羽生:目立たせようとするが故に反対の方向にもっていくと

▼例えで、ジャンプならば
野村:そのままピュっといくんじゃなくて、スケートで例えば助走をつけて逆にいくみたいな。
野村:一瞬 虚は突かれたような気もするけどね
※羽生のカウンターアクセル見たいなものですかね?


羽生:なんかすごいもうためになりすぎて、今頭がちょっと混乱してるんですけど
羽生:パンパンなんですよ本当は。どうしよう

▼伝統のあるものだからこそ感じるプレッシャーについて
羽生:伝統があるものだからこそのプレッシャーや先代のプレッシャーはどのように感じていますか
野村:基礎として代々受け継いできたものができないとスタートラインに立てない。それか非常に大きな所


▼「型」について
野村:誤作動しないように「型」にはめ込んで、それがいつでもオートマチックにできるようにするっていうのが一つの「型」のあり方
羽生:僕らも稽古・練習をして機械的にジャンプを跳べるようになってそれこそ「型」ですよね。「型」のまま




狂言もスケートも「型」が重要
型があるからこそ難しさを感じている羽生


▼「型」があるものの宿命
羽生:違う試合であっても毎回同じプログラムをするのでやっぱり分かるんですよみなさんが
野村:「来るぞ」「来るぞ」と待ってるわけだよね
羽生:「ここで4回転くるぞ」とか
野村:これはこう跳ぶんだぞと分っていても、それを「おお」と思わせないといけないということがひとつ「型」のあるものの宿命
野村:お客様が期待されること以上のことを、本当に以上かは分からないけど、その時お客さんのとっては自分が思ったよりも上を見せるということをしないといけない

「型」の表現を効果的に見せるには
三番叟を例に


野村:ここ(舞台)は楽器の要素もあるんですね。音をさせるような構造になっている。跳ぶ時も・・・(跳んでみせる)
野村:もちろん音をさせないで、「ポトン」と跳ぶような時もありますけど
野村:「三番叟」というものの中に、3連続で跳ぶっていうものがある
野村:「三番叟」というものの中に、3連続で跳ぶっていうものがある
https://www.youtube.com/watch?v=aZDgfm88unE
2分8秒より
野村:最後だけ音をさせる。押すだけでなくて「引く」演技というか「見て見て見て」っていうためにはその分引いてる部分があった方がより効果的に見える
羽生:やっぱりメリハリですよね。最後のがすごく映えるというか


羽生:すごいなあ何か。すごいなあ。すごい所に来てるな俺。恐れ多いんですよ本当に 今。



▼陰陽師について
羽生「陰陽師」に萬斎がアドバイス
「和」をテーマに挑戦


萬斎が見た羽生「陰陽師」

◎気になるポイント
<冒頭のポーズ>
野村:「この左手はなんぞや?」と僕はちょっと気になりました。

野村:僕らだとここに烏帽子があってここに自分のバックにこうなるように大きな袖が来る。
烏帽子、長い袖とのバランスを考えたポーズになっている。
烏帽子、長い袖とのバランスを考えたポーズになっている。

対して羽生の衣装には烏帽子も長い袖もない
衣装が変われば、同じ振付でも効果的ではなくなる

野村:身についているものが違うとアレンジする必要性がある
野村:どこを見せるのかという意識。僕も狩衣がなければもっとぐっと(さらに腕を上に振り上げ)いう風にだんだんフラメンコチックになってくるなとかね

野村:型は自分で解釈していくもの。「この『型』に何の意味があるのか?」を分らないというか放っておかないで、
例えばこれも(安倍)晴明がやってたからというだけでなく、ただ外形をなぞるのではなく『天・地・人を司どっとるのや』という意識を込めればそれが集中の1つの契機になりますよね。


羽生:自分が振りにどういう意味を込めてやっているのか(考えないといけない)

◎もう一つの悩み
<最後のポーズ>
羽生:最後のポーズは、最後は太鼓で「ドン」ってなって終わるんで、音を出そうとしている。

羽生:音は聞こえないんです。ただその音が聞こえるようにどうやって見せようかなとちょっと悩んでいます。

野村:音を見せることも重要かもしれないけど、音を見せた最後羽生選手が見えなきゃいけない。

野村:例えばこう足で鳴らせないなら手で打って天に響いたっていう(ような表現をする)

羽生:なんて表現をしたらいいんですかね・・・「音自体を追う」じゃないですけど、そういう感覚なんですかね…

野村:音をまとい音を司った感じで。最後の音を「ダーン」って立ったものがそのまま照射していったような。それが広がったっていう方がかっちょええ気が演出家:野村萬斎とか振付家:野村萬斎的には思いました。


羽生:もう振付変えたいわ。いろいろ変えたいわ

▼技術と表現の両立


羽生:一番は結果なんですけれども、記憶に残るような演技をしなくてはどっちにしろ結果もついてこない


-記憶に残る演技に必要なこと-
野村:そういう意味では精神性がすごく重要ですね
野村:やっぱりジャッジっていう邪な・・・
羽生:邪な 邪な(笑)
野村:邪じゃないかもしれないけど、人だけに対するということではなくて、周り全部の空気を感じ取る「場」を支配するためには「場」を味方につける自分の意識を会場全体に持っていきたいし、その場とその時間・空気をまとう
羽生:お客さんとか この会場の雰囲気だとか?
野村:その空気・場を味方につける、まとうっていうことが出来ると人は喜びますね
羽生:そうですね

-会場全体に意識を-

羽生:ありがとうございました
野村:こちらこそ。勝手にしゃべりましたけど
羽生:本当にためになりました
野村:害がないことを祈ります
羽生:とんでもないです



-対談が終わって-
羽生:何かありがたすぎて。萬斎さんがおっしゃった一つ一つの形に意味を持たせる。ジャンプにも意味を持たせることができるし、スピンにもステップにも意味を持たせることができる。全部自分の解釈で変えられると思います。


めっちゃ疲れた・・・
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